夕焼け雲の下に

「夕焼け雲の下に」を聴けば、とても美しい絵が見えてくる。遠い国に行きたいなと思わせる歌です。

子供の頃から、夕焼けの黄金色で染めた空を見ると、この空の向こうにきっと私と同じような女の子がいて、「ご飯だよ」ってお母さんに呼ばれて、お友達と別れ、家に帰ると想像していた。

夕焼けの雲はきれいだ。この世界を暖かいオレンジの色に包んで、私のこの絵の一部になっていた気がする。

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しかし、夕焼けはいくらきれいだと言っても、黄昏に近づき、「今日はもう一日が終わるんだな」って、ちょっぴり寂しい気持になる。それでも、明日が来る。明日のことを思えば、またわくわくと、胸を躍らせるんだ。

誰でも、自分の夢の国を、心の中で描いていると思う。この平和で、穏やかな夕焼け雲を楽しめるのが、本当に幸せなこと。この平凡無事な生活こそ、真の心の安らぎだと思います。

大人になって、この現実の中で目の前の物事を追いかけて、追いかけて、自分の夢の国は影形が消え去ってしまった気がする。夕焼けの下で、無邪気に遊んでいた私はもういないが、自分の遠い過去への懐かしさ、故郷へのノスタルジーが、心の何処かに潜んでいる。

もし、夢の国は本当にあったら、私は今の全てを捨て、行きたいと思うだろう。恐らく、行きたいと思っても、行かないでしょう。なぜなら、人が人生を歩んでいくうえで、過去がこの世になくなるのは、当たり前で、しかたのないこと。過去は過去として、前に進んでいくものであるから。

もっと歳を取れば、笑って過去を振り返ることも幸せなのかもしれない。それは人生だもの。